「システムとしてデザインするイノベーティブな人材」をどうしたら体系的に育成できるのか? 


私は、旭化成元フェローの山下昌哉氏の素晴らしい業績(※1 恩賜賞 電子コンパス開発)に出会い、それを学ぶにつれて、イノベーションアーキテクトしてふさわしい方だと思っています。現在、自社の中でイノベーションアーキテクト研究会※2(山下昌哉氏、橋本治氏、八田孝)を運営する中で、多くの教えをいただいています。


山下さんはイノベーション思考の普及努力を続けています。しかし「イノベーターの知を伝搬」しようとしても難しい現実があります。関心を示していただいても仕事が繋がらなかったり色々です。日本認知科学界会元会長 鈴木宏昭氏は、「知識は伝わらない」ものだ、「知識とは構築される」ものであると主張しています。それは、「人の認知リソースと場のリソースの相互作用や創発によって生まれるコト的なもの※3」であると表明されています。


「イノベーションアーキテクト研究会は、旭化成元フェロー山下昌哉氏からイノベーションの知見を開示いただき、元NEC研究所橋本治氏からはIT・AI的なアドバイスをいただき、八田孝が運営しています。活動目的としては、(1)未知の課題を解決する知を構築する、(2)イノベータの知を構築する、(3)イントラププレナーの知を構築する等を目指しています。アプローチ手法として、システムデザイン手法、システムズエンジニアリング手法を活かして、「システムとしてデザインするイノベーティブな人材」をどうしたら体系的に育成して、ビジネスで実践できるのかを研究しています。


単に知識を知っているだけでは意味がなく、トレーニングや体験によって、各人の頭や体にインストールされて、やがては局面局面で意識的&無意識的に駆動されるような実践的な知(コンピテンシー、ケーパビリティ)を作らなければ、意味がないと話をしています。活動する人が、本当にそれをしたいのかも継続性にかかわってきます。


本研究の整理において参考にさせていただいているのが、経済産業省の「未来の教室」実証事業の1つである「顧客の「横断的体験」を生み出せる「システムデザイン人材」を育成する講座の開発※4」です。組織として達成したい高いケーパビリティ(スキル習熟度レベル)を獲得するために、4つのスキル標準フレームワークを習熟していくアプローチを展開しています。スキル標準フレームワークはさらにスキルカードに展開されており、そのカード単位にハードスキル、ソフトスキル、メタスキルの3つのスキル指針が述べています。これらの体系を俯瞰することで講座の構造が見えてきます。


一般にメタ認知的知識は宣言知識、手続き知識、条件知識からなります。メタ認知的活用では、知のモニタリングと知のコントロールが必要です。これらの視点の考察も、ハードスキル、ソフトスキル、メタスキルの3つのスキルの中に考慮されています。これらのスキル標準フレームワークは、各社にとって実態の業務に合わせてのテーラリングの入り口になっていきます。各社のイノベータの知や伝承したい知をプロセス視点、スキル視点でも組み込んでいくことも検討できそうです。


不透明の時代にあって、システムデザイン・マネジメントを皆で学び、社会・組織・個人の各領域で成果を上げていく活動を続けていきます。


出典
※1 ミスター電子コンパスが熱く語る開発の最前線
※2 「イノベーションアーキテクト研究会」はチーム・シンセシス・ラボ(株)にお問い合わせください。
※3  出典「私たちはどう学んでいるのか」鈴木宏昭 ちくまぷりまー新書
※4  顧客の「横断的体験」を生み出せる「システムデザイン人材」を育成する講座の開発


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「皆さんの思考プロセスを高めることで

 新しい可能性を引き出します」


チーム・シンセシス・ラボ株式会社 
代表取締役     八田 孝


〒141-0001

品川区北品川5-5-15 大崎ブライトコア4階SHIP

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