コンピテンシー(力)の獲得からシステムズエンジニアリングを理解するアプローチ

 コンピテンシー(力)の獲得から、システムズエンジニアリングを理解するアプローチ



システムズエンジニアリングを学ぶには、システムズエンジニアリング演習(芝刈り機演習、カレーライス演習、ヘルスケア事業開発演習、サービスロボット事業開発演習等)を最初に体験することが効果的です。それまで、耳にすることがなかった、「ライフサイクル」や「コンテクスト分析」、「ユースケース分析」、「機能のふるまい」、「物理の振る舞い」、「検証」など未知の演習体験ばかりです。できれば10〜20回くらいはやりましょう。なぜなら、形式知から暗黙知に変わる時間は、単なる回数✖️時間に比例するのではなく、対数時間に比例することが認知心理学(出典1)からも指摘されています。


第2ステップは、自分が解きたい衝動に駆られている「自分のモヤモヤ課題」をシステムズエンジニアリング演習の手順に従って、自分で格闘しながら、自らが新しい思考世界に入り込んで解いていくという体験が重要に思います。それによって、自分の課題解決にシステムズエンジニアリングは、「あのような形で有効なんだ」という貴重な実感が得られるからです。


第3ステップは、システムズエンジニアリングの方法論をより理解するために有効な方法があります。それは、スキル、コンピテンシーを高めていく方法です。Systems Engineering Competency Framework (出典2、出典3)やSystems Engineering Competency Framework Guide(出典4)が水先案内人になります。

指導者がいなくても、ひるむ必要はありません。

友人達とチームを組んで、チャレンジしていきましょう。
Systems Engineering Competency Frameworkのコンピテンシーエリアに記載されている項目をお互いに質問し合って、それに対する回答を皆で、知恵を絞って言葉に表す練習を開始してください。コンピテンシー記述自体が抽象度が高いのですが、こういう意味ではないかという説明を通じて、自己理解やイメージ(暗黙知表現、形式知表現)の確認をしていきましょう。

<コンピテンシー指標やサブ指標を言葉で説明する>
「〜〜が重要な理由を説明しましょう」
「〜〜を定義しましょう」
「〜〜をもう少し異なった視点で説明しましょう」
 ・
 ・
 等々




体験しながら理解し、語り合う中で、Systems Engineering Competency Framework が求めているコンピテンシーを理解するために「必要な体験を探す」ようになったり、「理解するための認知スキーマ」が増えていくことで、徐々に説明できるようになっていきます。いわばシステムアプローチを活用した世界観が、(社会構成主義的に)一人ひとりの中に開かれていきます。


さらに、コンピテンシーフレームワークは「知る、理解する、使う、実践する」ために必要なスキル・コンピテンシー(形式知、暗黙知)が、レベル別(初心者、、、熟練者)に丁寧に書かれています。少々、抽象的な表現ではありますが・・・。ゆっくり、皆で質問し、その意味を共有し、レベルを上げていきましょう。




出典:
1. 私たちはどう学んでいるのか ちくまプリマー新書 鈴木宏昭 2022
2. Systems Engineering Competency Framework 
3. Systems Engineering Competency Framework (2nd Edition)
4. Systems Engineering Competency Framework Guide (SECAG)
 
                                                                                                      2025.6.21
              

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