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システム思考やデザイン思考の概念を俯瞰的に理解したい その2

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 学び始めた時の世界・・・ システム思考、デザイン思考、メタ認知、システムズエンジニアリングを学び初めた当初 は、用語や概念が、体になかなか入って来ませんでした。 ロジカルシンキング クリティカルシンキング デザインシンキング システムシンキング システムアプローチ 多視点、抽象、構造化、可視化 全体と部分、俯瞰と系統 目的手段、原因結果、機能と物理、価値連鎖 etc 用語が頭の中で、バラバラに宙を舞っていました。 私には、メタ的な思考やスキーマが無かったのですから、しかたがありません。 IT系エンジニアでしたが、30年間このような思考には、全く縁が無かったのです。 現在日本のIT系のエンジニアは100万人いますが、ロジカル思考の方がほとんどです。 分ける思考を得意としますので、要素と要素の関係性、システムとシステムの関係性などを 見失うことも多くなります。 結果的に、(見えていない)要素間で引き起こす「振る舞い」が問題を起こしたとしても それを解明することは、難しいのが現実です。 学び始めた後の世界・・ 用語や概念が頭の中でバラバラに宙を舞っていましたが、徐々に、概念のまとまり単位で、 棚に入るような感じがでてきました。見慣れてきたことも事実です。それを前提に物事を考 えるような時間が増えつつあります。 そもそも、知らなかった概念、方法論が使えるようになるとは、どういうことでしょうか? 問題を解決するには、プロセスが必要です。思考することでプロセスが生まれます。思考す ることでプロセスを生み出しますが、それには方法が必要です。 その抽象的な方法を具体的に実行するにはツール、道具が必要です。 学習者が、問題解決やデザインを実行する(プロセス、方法、スキル・・)には、スキルが 必要です。単体で活用できるスキル、スキルが集合したものをコンピテンシー(形式知と暗 黙知を含みます)といいます。 バラバラに見えた概念や用語が、体に馴染んでくるには体験して理解する時間が必要です。 これらが定着し、仕事でコンピテンシーや方法論を駆使して、目的を達成するためのケ ーパビリティが、ようやく発揮されて成果を出します。 システムデザインマネジメント学には、これらが用意されています。 やる気と時間と場が必要です。 ある集中した時間を投入して、ロジカル思考を超える次世代の思考能力、創...

イノベーションアーキテクトは「思考プロセス」を求めている

1.イントレプレナーの流儀   旭化成の高度専門職として「グループフェロー」「シニアフェロー」を務め、現在 BtoB の製造業における新規事業創出に必要な「思考プロセス」の研究・開発を進めている山下氏。自身の経験から得たイノベーション思考を抽象化して、再現性の高い思考プロセスに落とし込もうと努力していることが、webサイト 「イントレプレナーの流儀」 で発信されています。 弊社は、山下シニア イントレプレナー(イノベーション アーキテクト)の長年のイノベーション成果を「思考プロセス」として振り返る貴重な機会に参加させていただき、ワークショップやシステムズエンジニアリング活用などの議論をさせていただきました。 2.出会い  2016年11月富士ゼロックスさまが主催したバーチャルハリウッド協議会のワークショップ講師として、コンセプトフレームワークのファシリテーションを実施させて頂いたことがきっかけで、お付き合いが始まりました。イノベーション創出のための「思考プロセス」の研究・開発の基盤として、SDM学(システム✕デザイン思考、システムズエンジニアリング)が活用できるのではないかということでした。  「思考プロセス」の対話では、イノベーション創出のフレームワークの開発に、SDM学がどう活用できるかの議論を行いました。ワークショップを行ったり、私の苦労談(統合CADシステム開発をした時にシステムズエンジニアリングのような異分野横断の開発方法論を本当に必要としたこと)やシステムズエンジニアリングの効用(多視点で同時並行の思考空間を獲得することができる能力獲得)などの話をさせていただきました。 3.今後の期待 弊社は、システムズエンジニアリングを次世代の問題解決方法論(思考行動プロセス)として、自由に活用できるケーパビリティの高い人材の育成に、貢献していきたいと思っています。                                       以上

対話ツールを活用して問題解決の能力開発を進めよう

   対話 ツール を活用して問題解決の 能力開発 を進めよう 「対象を構造化して可視化し、しかもメタ認知力を高める優れたツール」がネット経由で無料でアクセス可能なことをご存知ですか?このツールをきっかけにして人生100年活用できるプロセス思考力(スキル・コンピテンシー・ケーパビィリティ)を開発していきませんか?  あなた と、 あなたのチーム のために! 出典: 「イノベーション対話ツールの開発」について Step1: 対話ツールの持つ強力な効果を単体で活用しましょう              (参考:資料1) 一つ一つが凄いツールですので、現場活用しながら効果を体験してください Step2: 対話ツールを2〜3つのプロセスとして活用しましょう           (参考:資料2) 可視化カードの進行順番(可視化カードの右上と左下にツールの活用の順番例あり)を目安に活用してみましょう    自分で得たい内容とツール特性から工夫して使ってみましょう    Step3: 人の対話を建設的な対話に変えるための話し合いのプロセスを学びましょう         (参考:資料3)  話し合いのプロセスのステップが明示的になっている  話し合いを効果的に支援してくれるツールがある  話し合いのプロセスを目的に向かって進めてくれるファシリテーションが行われる   Step4: 課題解決の基本プロセスを学んで活用する習慣をつけましょう          (参考:資料4) 目標・方策・道具・制約    良定義・不良定義 課題発見・課題定義・探索・具体化・検証 メタ認知的知識・メタ認知的活動 Step5: イノベーティブな解探索を行うためのワークショップデザインを学んで活用しましょう              (参考:資料5)  例:得たいインサイトの方向性を考える 思考の枠を捉える 枠を越えたアイデア 枠を越えた...

そもそもトップランナーは狙っている方向が違う・・

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  そもそもトップランナーは狙っている方向が違う・・・ ※補足 「物理数学の直観的方法(長沼伸一郎著)講談社」では、「簡略化」「総合化」「直観化」が次元の異なるほどの意義を帯びてこざるを得ないだろう。と指摘している。 複合的/横断的体験価値をどうつくるか・・・・ Well-beingな豊かさを社会実装する人材をどうつくるのか・・・ 弊社は、皆さんの知恵や行動と相互作用しながらチャレンジを続けます。 well-being社会課題解決とミドルシニアライフデザイン勉強会 イノベーションアーキテクトとシステムデザイン人材勉強会 創造的対話と異分野を対話デザインでつなぐ勉強会 問題解決とプロセスデザイン勉強会 基礎的メタ思考勉強会 2021.9.20

アーキテクト人材育成の取り組み報告書

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  2021.7. 26 に、DADCからSociety5.0を実現するアーキテクト人材育成の取り組み報告書が公開されました。 https://www.ipa.go.jp/.../arc.../pj_report_hrd_20210726.html     記載されていたカリキュラムから、研修日程を1枚に抽出して見ました。表面的な座学だけではなく、大変実践的な活動もされていることと思います。早く、一般企業レベルでも、素晴らしい指導者の元で地についた研修や実践が行われるといいのですが、、 小職にとっては、SECFとスキル標準フレームワーク https://www.learning-innovation.go.jp/existing/doc/c0038/システムデザイン人材スキル標準.pdf が唯一の羅針盤でしたが、今回の「アーキテクト人材開発・育成に関する中間報告書」が世に出て、闇夜に照らすサーチライトが増えた気がします。ビジネス戦略、人材育成の転換を議論している現場に紹介させていただきます。 2021.8.12

あるビジネスマンの症状

       あるビジネスマンの病状       〜56才当時ビジネスマン八田はその病いの中に・・〜   VUCA/AI 時代に戦略的学習能力の時代が来ている。先が見えない時代と言われている。データから自動抽出してAIが新しい判断基準を出してくる時代になっている。人は理念を持って、状況を捉え、課題を再定義して、新しい解決策、知識を発信する時代になった。しかし、現実はうまく対応できていない。 思考停止症候群 教えてもらったことは丁寧に実行してお客様に評価される真面目なビジネスマンが多い。しかし、「わからない問題」に出会うとそれは「知らないし、わからない」からStopする。 豊かな時代「答え」は本屋やネットにある: 自分の困った課題、人生の選択の答えはGoogleを検索すると出てくる気がする。インフルエンサーが教えてくれる気がする。あった、あったかも。私も良く本屋に駆け込んでいました。 「解決方法」を口を開けて待っている 「未知の問題」、「わからない問題」、「イノベーティブな解き方」、「自分が本当にしたいこと」などの難解な問題の解決法は、上司・先生が手とり足取り教えてくれると思い込んでいる。誰かが、わかりやすく教えてくれるんですよね〜。 興味より詰め込み教育: 子供の頃から、自発的な興味よりも、詰め込み知識偏重だった。「自分の興味に夢中になって、行動から発見的に学び取り、たどたどしいがワクワクしながら外的世界に表現する。褒められる、怒られる、だけど面白い。三昧」。自分事で行動を切り開いていく機会は少なかった。        学びは症状を確実に変えます それでも、問題解決の方法論(ロジカル思考、クリティカル思考、システム思考、デザイン思考、システムアプローチ)をコツコツ学び続けていくと「症状が確実に変わる」ことを体験しました。 対話ツール を使っていくと解決のためのメタ知識が育成されます。メタ知識量がある臨界点を超えると能力として発現すると言われています( 深い学び )。掛け算九九を覚えたように、無意識に思考が探索を始めたりします。滑らかになると期待意欲が湧いてきます。すると前向きなマインドに変わってきます。気持ちが軽くなります。 これが何より嬉しいです 。56才から学び始めて65才になりますが、暗いトンネルが続きましたが、少し明るい尾根に出た感じ...

VUCAの時代にもかかわらず、企業のスキル教育は昔のまま

  VUCAの時代にもかかわらず、現代日本の企業内教育は昔のままであることにお気づきですか? リクルートマネジメントソリューションズ ⼈財開発実態調査 2017 では、スキル研修の実施率は「問題解決、課題解決」「ロジカル・シンキング」に加え、「コミュニケーション、アサーション」「コーチング・メンタリングスキル」「語学研修」などコミュニケーションに関する研修が高いとあります。 ここから分かる事実は、「問題解決、課題解決」「ロジカル・シンキング」のスキル研修が主流であることです。 ある企業の問題解決力の研修内容を調べてみましたが、「現状で発生したの問題」を「細分化して分析的に解く」というタイプの問題解決研修のままでした。ロジカルシンキングは重要な思考ですが、ほとんどの企業で「将来予想型・unknown型・発見型の課題発見・課題定義・解決探索のスキル研修」に対応していない状態です。 時代はDX/AI/スマートシティ/Society5.0と喧伝されていますが、足下の企業内研修は昔のままです、社会や会社トップの要求にあったスキル研修、人材育成が進んでいない事実にもっと目を向ける必要があると思いませんか? もっと時代に合ったスキル研修・人材育成を急ぐべきです! 次世代の人材を育成するためのスキル研修とは、、 1.分析型思考から全体を俯瞰的に統合するアプローチ思考へ 2.単一の問題から、複合横断的な体験価値を創出する全体俯瞰的な統合的フレー ムワークへ 3.「問題に答えをあてはめる思考」から、「問題を創り出しそれに見合ったユニークな解決策を考え出す思考へ(メタ認知、学習迅速性、チーム思考、システム思考、自由度が高いシステムアプローチ手法) のスキル研修を早急に企業にビルトインする必要があると思います。 具体的には、システム思考、デザイン思考、システムズエンジニアリングを自分の課題に適用しながら、熟達するに従って、スキル蓄積 → コンピテンシー獲得 → ケーパビリティの発揮に向けて、歩んで行く必要があります。 ※文献 リクルートマネジメントソリューションズ ⼈財開発実態調査 2017(サマリー版報告書PDF) の13ページ、 スキル研修の50%は、「問題解決、課題解決」と「ロジカルシンキング」があげられている。